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東武朝日 平成16年8月27日号掲載
 
土から生まれたものは、土に返す♀動を続ける
  栄 京子さん(岩槻)
栄 京子さん
 (財)地球環境財団・環境対策推進委員の栄京子さんは、「土と食の会」と彩の国「さいたまケナフの会」の代表として、環境問題に多方面で活動をしている。

 20年前、妊娠中に体をこわし、薬も飲めなかった栄さんは「健康管理は自分の責任だ」と痛感したという。その時読んだ自然食の本から栄さんのチャレンジは始まった。

 生ゴミや米のとぎ汁を発酵させ、堆肥化。ほとんど薬を使わずに有機無農薬の野菜をつくり、鶏を飼って、自然食で病を克服した。

 その後も複合型の安全な農業を目指し、九州大学農学部から提供を受けた微生物で杉戸町のまいたけ廃菌床や、バーク材を原料とした特殊肥料を完成させ、昨年はこの肥料で冷夏でも8・5俵(1反)の無農薬米を収穫した。

 野菜・果実・花づくりに利用する環境循環型の農法は、定期的に勉強会も開催しており、参加者には野菜の種や有機肥料などをプレゼントしている。「この肥料は、地力が出て野菜の病害虫が少ない」「化学肥料より収穫が多い」と評判だ。

 また非木材紙(ケナフ)の普及推進中に、原料から紙ができるまでの行程で大量の薬品が使われ、環境を汚染していると知った栄さんは、2年の開発期間を経て、水だけでパルプが出来る機械を考案した。非加熱・無薬品の木材パルプを使用した紙を、岩槻市(ゴミカレンダー)や東京都(森づくり推進プラン=冊子)が環境重視のエコペーパーとして使用している。

 栄さんは、「環境保全の活動をして始めて11年、これからも生ゴミを燃やさない、捨てない、土から生まれたものは土に返すという作業を続けていきます」と話している。

 問合せ 土と食の会 048・794・7872





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